2026年1月~12月
2026年10月からパート・有期・派遣労働者の雇用契約書の変更が必要となります(2026年8月号)
●2026年10月からパート・有期・派遣労働者の雇用契約書の変更が必要となります(2026年8月号)
今年の10月以降に新たに締結するパート(短時間労働者のこと)・有期・派遣労働者の労働契約から、労働条件明示のルールが変更され、雇用契約書または労働条件通知書に新たに追加して記載する項目が増えます。追記する概要は以下の通りです。
◎概要
「待遇の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨」を必ず記載。派遣労働者の場合は派遣元へ説明を求めることができる旨を必ず記載(違反には10万円の過料)。
◎書き方例
パート・有期労働者の場合:相談窓口に対して正社員との待遇の相違(内容や理由)等について説明を求めることができる
派遣労働者の場合:派遣元相談窓口に対して通常の労働者との待遇の相違(内容や理由)等について説明を求めることができる
◎解説
「相談窓口」とは、「雇用管理の改善等に関する事項にかかる相談窓口」のことで、従来から記載が義務付けられていたものです。中小企業においては以下のように記載していることが多いかと思います。
相談窓口:社長及び社長配偶者 人事総務部 担当●● など
中小企業の場合は今回の改正で求めている「正社員との待遇の相違(内容や理由)等」に絞った相談窓口を新たに設けるのは人員的にも機能的にも困難ですから、従来からある「相談窓口」で統一するのが現実的です。
そもそも従来から「パートタイム・有期雇用労働法」では、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間で待遇差がある場合、事業主は、パートタイム・有期雇用労働者から求めがあれば、
(1)待遇差の内容や理由、
(2)パートタイム・有期雇用労働法第6条から第13条までの措置を講じるに当たって考慮した事項
を説明しなければなりません。これは今年の法改正前から義務とされていたものです。上記において「待遇の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨」を必ず記載とありますが、この中の「等」が(2)のパートタイム・有期雇用労働法第6条から第13条までの措置を講じるに当たって考慮した事項のことを言っています。
その第6条から13条とは概略、以下の情報のことです。
6条:労働条件の文書交付
7条:就業規則の作成について
8条:不合理な待遇の禁止(均衡待遇)
9条:正社員と同等の者に対する差別取り扱いの禁止(均等待遇)
10条:賃金
11条:教育訓練
12条:福利厚生
13条:正社員への転換
ここまでのことをごく簡単に申しますと、パート(短時間労働者のこと)・有期契約労働者・派遣労働者に対して、正社員との待遇差に疑問を感じたら、決められた相談窓口に説明をもとめることができることを文書で周知しなければならなくなったということです。
今までも求めがあれば説明する義務はあったのですが、いわばこれを文書化して「疑問があれば説明を求めることができるんですよ」と文字でお知らせしなければならなくなったのです。
ただお知らせの記載は義務化されましたが、説明の求めがあれば対応しなければならないという法文は変わっていません。つまり求めがないのに説明しなければならない義務ではありません。但し厚労省は求めがなくとも分かりやすい資料を交付することなどでの対応を行うことが望ましいとは言っていますが。。。。
これによって雇用契約書に必ず記載しなければならない事項を纏めますと以下の通りとなります。
1.契約期間に関すること(有期契約労働者が対象)
2.期間の定めがある契約を更新する場合の基準に関すること(有期契約労働者が対象)
3.更新上限の有無と内容を明示(有期契約労働者が対象)
4.無期転換申込機会と無期転換後の労働条件の明示(5年を超える有期契約労働者が対象)
5.就業場所、従事する業務(こ関すること
6.就業場所と業務の変更の範囲
7.始業•終業時刻、休憩、休日、休暇などに関すること
8.賃金の決定方法、支払時期などに関すること
9.退職、解雇に関すること
10.昇給の有無(パート、有期契約労働者が対象)
11.退職手当の有無(パート、有期契約労働者が対象)
12.賞与の有無(パート、有期契約労働者が対象)
13.雇用管理に関する相談窓口(パート、有期契約労働者が対象)
14.待遇の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨(パート、有期契約労働者が対象)←今回の2026年10月から法改正で新たに追加
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(文責 特定社会保険労務士 西村 聡)




